フォーブス・イスラエル誌による相星大使へのインタビュー

2019/10/31
10月4日,フォーブス・イスラエル誌に相星大使のインタビューが掲載されました。(→ 同誌記事はこちら





【タイトル】 素晴らしい友好関係:イスラエルと日本の関係強化の秘密は何か



 近年日本とイスラエルの関係は拡大傾向にある。在イスラエル日本大使館の相星孝一大使がイスラエルでの生活,両国間の強固な文化的つながり,2020年東京オリンピックに向けた準備等について語った。
 相星孝一大使の机には何十枚もの名刺が積まれており,これは同大使が昨年イスラエルに赴任してから重ねてきた会合の数を物語っている。それはまた,日本とイスラエルの強固な関係,著しい文化的な違いにもかかわらず構築される関係をも示すものである(例えば同大使とのインタビューは,1分も遅れることなく,事前に示し合わせた時間どおりに行われた。)。

 相星大使は両国間の文化的な差異を強調することを好まず,むしろその類似性に着目し「ユダヤ人と日本人はどちらも長い歴史を有している」と語る。両国間の貿易関係もまた長期にわたるものであり,近年さらに強まりつつある。この傾向はイスラエルにおける対日関心についても当てはまる。「多くの日本人がイスラエルのイノベーションに関心を向けている」と相星大使は語り,かつその技術先進性を導くイスラエルの経済環境について説明する。「イスラエルは各産業で活用される革新的な技術を創り出すことに長けている一方,日本は伝統的に組立てや生産,販売といった産業活動を得意としてきた。以前は日本も双方の事業を行ってきたが,それができないとわかってからは技術を輸入する方向に舵を切った」。

 イスラエルの技術は日本に欠けている分野に参入している。「日本は自動車関連技術で若干の遅れをとっている」と相星大使は語る。「数か月前にルノー・三菱・日産を含む企業がテルアビブに研究開発センターを開設した。これらは大きなプレイヤーである。ソニーもまた,大きな投資を行った。」日本の産業がイスラエルのイノベーションによって大きな恩恵を受けているもう一つの分野は,医薬品である。「日本は多くの高齢者を抱える一方で労働力不足に悩まされている。我々は人工知能やロボットに頼らざるを得ず,そこに我々の未来がある。これらの課題に関する解決策がイスラエルにある」と同大使は述べた。

「ライバルと友人」

 日本は,イスラエルとの経済関係を強化している東アジアで唯一の国ではない。 最近,イスラエルと韓国間で自由貿易協定が締結され,中国との関係もまた,近年大きく拡大している。日本はこれら2か国と緊張関係にあるが,相星大使によると,イスラエルを巡るライバル関係は阻害要因ではない。「これまでのところ,イスラエルにおいて日本と中国との競争はない」と同大使は述べる。「我々は日本企業がイスラエルに来ることを奨励しており,それにより中国との公正かつ正常な競争が生じるならば,それは良いことである。なぜそうではないと言えるだろうか。このことはイスラエルにとっても良いことであり,より多くの企業がイスラエルに参入すればイスラエルの利益に叶うことは間違いない。

 同大使によれば,日本とイランとの関係もまた障害にはならない。3か月前,日本の安倍晋三日本国総理はイランを訪問し,かつ不必要な懸念が惹起されるのを避けるために,同訪問に先立ちイスラエルのネタニヤフ首相と電話で話した。「安倍総理は地域の安定を確保するために努力している。日本は国際社会における多くのアクターとの関係維持に重点的に取り組んでいる」と,相星大使は述べる。


「多くの観光客」


 日本では,来年夏に開催される東京オリンピック2020に向けた準備が進行中である。「ほとんどすべての準備が整いつつある」と相星大使は語る。一方で,日本は公共交通機関の問題を懸念しており,交通渋滞を避けるために交通量をいかに減らすかについて思案している。「私たちは多くの人々を迎え入れるつもりである。我々は彼らを歓迎し,完璧にもてなさなければならない」と同大使は述べた。このイベントは,かなり多くのイスラエル人観光客を日本に引き付けることが期待されており,彼らは来年3月に初めて導入されるエル・アル航空の東京行き定期直行便を利用することができる。同大使によれば,オリンピックにかかわらず訪日旅行はイスラエル人に人気であり,彼らは四国南部など,通常は旅行者があまり訪れないような遠隔地も訪れる。
 
 日本人のイスラエル訪問という反対の方向でも傾向は明らかである。イスラエルに訪れる日本人観光客の数は2015年までは,毎年わずかに減少していたが,同年以降は大幅に増加しており,2018年には約2万人という記録的な数を記録した。イスラエルは(日本人)観光客にとって安価な目的地ではないと,相星大使は付言しつつ,「イスラエルの街はとてもフレンドリーで,誰に対しても優しく接してくれる。日本人もまた当地で歓待されている。しかし,私はイスラエルに対する日本人の認識を高める必要があると言わなければならない。これは現在の私たちの挑戦の一つである。」と述べた。
 
 学者肌の相星大使がイスラエルについて学び,この地で起こっていることに関与するために多大な努力をしていることは明らかである。例えば,同大使は最近の世界柔道選手権におけるサギ・ムキ選手の快挙に言及することを忘れず,東京オリンピックでのイスラエル選手の成功を祈念する旨述べた。そんな相星大使でも驚かされることがある。イスラエルにおける寿司(レストラン)の数がその例だ。「中華料理や韓国食よりもはるかに多い」と同大使は述べる。「イスラエル人は日本と距離がかけ離れているにもかかわらず,日本食や日本の伝統的な文化を愛していると思う。このことは非常に喜ばしいことであり,我々は感謝している」。