日米豪印首脳テレビ会議(2021/3/12)

▸日米豪印首脳テレビ会議(2021/3/12)(→外務省ホームページ)
【関連箇所抜粋】
《日米豪印首脳共同声明:「日米豪印の精神」》
健康安全保障について我々の国々が成し遂げた進展の上に、我々は、経済回復を加速化させ地球規模の健康に役立たせるために、安全かつ手頃な価格で有効なワクチンの生産と公平なアクセスを拡大すべく力を合わせる。我々の人々の健康と安全のための確固たるコミットメントと共に、我々はまた、パンデミックが拡散し続ける限りは我々の誰一人も安全にはなり得ないことも認識する。したがって、我々は、世界保健機関やCOVAXファシリティを含む既存の関連する多国間組織との緊密な連携の下、インド太平洋へのワクチンの公平なアクセスを強化すべく協働する。我々は、世界保健機関の、透明性があり、かつ、結果志向の改革を求める。
《日米豪印首脳会議 ファクトシート(2021年3月12日)》
日米豪印ワクチンパートナーシップ
「クアッド」のパートナーは、自国民のためのワクチンが入手可能となることを確保しつつ、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの収束を更に加速させるための画期的なパートナーシップを立ち上げる。「クアッド」の首脳たちは、2021年に安全で有効な新型コロナ・ワクチンの製造を拡大するために必要な共通の行動を共にとっており、世界保健機関(WHO)やCOVAXファシリティを含む既存の関連する多国間メカニズムと緊密に連携し、インド太平洋の国々におけるワクチン接種を強化し支援すべく協働する。
● 我々は、各国の強みを活用しながら、行動の多くの段階における多部門による協力を通じてこの複雑な問題に取り組む。それは、安全で有効なワクチンを世界中での利用可能性を確保することから始める。
● 日米豪印のパートナーは、厳格な規制当局(SRA)により承認されているワクチンの製造能力の増大を優先させ、インド国内の施設における安全で有効な新型コロナ・ワクチンの製造拡大を達成するために連携する。
● 日米豪印のパートナーは、安全で有効なワクチンの製造、調達及び配送のために、資金面及び物流面での需要に対応する。日米豪印のパートナーは、米国国際開発金融公社(DFC)、国際協力機構(JICA)、適切な場合には国際協力銀行(JBIC)などを含めた機関のメカニズムを通じて、共通の手段と専門知識を活用するために取り組む。
○ 米国は、DFCを通じて、バイオロジカルE社と連携し、同社が、2022年末までに、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製のワクチンを含めたSRA又はWHO緊急使用リスト(EUL)承認の新型コロナ・ワクチンを少なくとも10億回分製造できるよう製造能力を増やすための資金協力を行う。
○ 日本は、JICAを通じ、輸出向けの新型コロナ・ワクチンの製造を拡大する(EUL又はSRAから承認を受けたワクチンの生産を優先する。)ためにインド政府に対して円借款を供与するための議論を行っている。
○ また、日米豪印のパートナーは、既存の健康安全保障・開発プログラムを活かし、「最後の1マイル」のワクチン接種のための取組を強化し、インド太平洋における我々の取組を政府全体で調整し強化するために協力する。
- これには、ワクチンの受入れ準備と配送、ワクチンの調達、保健医療人材の即応性、ワクチンに関する誤った情報への対応、地域社会の関与、予防接種能力等に関する各国への支援を含む。
- 豪州は、大洋州の9か国及び東ティモール向けのワクチンへのアクセスと健康安全保障を確保するための4億7百万米ドルの既存のコミットメントに加えて、東南アジアに焦点を当てた、ワクチンの提供と「最後の1マイル」の配送支援のため、7千7百万米ドルを貢献し、調達を支援し、ワクチンの配送を準備し、東南アジアの保健システムを強化していく。
- 日本は、COVAXファシリティとの連携及び支援を確保しつつ、4千百万ドルの無償資金の提供や新たな円借款の供与等を通じ、ワクチンの購入、コールド・チェーン支援といった途上国のワクチン接種プログラムを支援する。
- 米国は、既存のプログラムを活用してワクチン接種能力をさらに高め、予防接種に焦点を当てた地域のプログラムに少なくとも1億ドルを活用する。
● 我々のコミットメントは、シニア・レベルでの日米豪印ワクチン専門家作業部会の立ち上げにより実施される。この作業部会は各国の主要な科学者と政府関係者で構成され、日米豪印の協力を長期的に支援し、以下の取組のため、科学とエビデンスを活用する。
○ 新型コロナ・ワクチンの取組のための実施計画を策定すること
○ 地域におけるワクチンの接種を妨げ、遅らせている課題を特定すること
○ 安全で有効なワクチンのより広範な分配につながる、タイムリーで十分な生産能力の拡大をモニターするために資金提供者及び製造施設と協働すること
○ インド太平洋の健康安全保障及び新型コロナウイルス対策を支援するための各政府の計画を共有し、ワクチンを必要とする到達するのが困難なコミュニティへの「最後の1マイル」の配送に係る実践的な協力を特定すること
○ WHO、COVAXファシリティ、 Gavi、CEPI、UNICEF、G7、ASEAN等の国際的な組織や政府による命を救う取組を強化及び支援し、他国にも同様の行動を求めること
○ 本年末までに追加的な具体的な提言を行うこと